宗 務 所 便 り 2002年3月1日発信 114
愛知西教区 宗務所長 一色宏襄 九拜
謹啓上 皆々様、過日の住職・副住職研修会ご参加誠に有り難うございました。
130名の出席は前代未聞でありました。何故こんなに多くの方が参加されたのでしょう
芥川賞受賞者の講演であったからか、中陰という我々に一番関係の深い内容であったからか
支所長様や青年僧の働きかけが強かったからか、何れにせよ、研修会へ参加を住職として
の義務という意識を持っていただきたいと願います。
この度の研修会のテーマ「感動のある葬儀」・「中陰法要」は。禅を標榜する我々であっ
ても生命線であります。むしろ禅こそ生死を説かねばならないはずであります。
我々は、葬儀から49日の間に1度でいいから、相手の心に残る言葉や、法要がしたいもの
であります。2月19日東京地裁で開かれた「三軒茶屋傷害致死事件」の判決後、山室恵裁
判長は「君たちは、さだまさしの『償い』という歌を知っているかい」と、問いかけた。
彼らが法廷で語った言葉は「一生をかけて償う」とか「私という人間を根本から変えて生
きたい」と、遺族に謝罪を示した。裁判長が示した歌は、交通事故を起こした若者が、被
害者の遺族に少ない給料から仕送りを続けるという内容でした。「人殺し、あんたを許さな
いと彼をののしった 被害者の奥さんの涙の足元で 彼はひたすら大声で泣きながら た
だ頭を床にこすり続けるだけだった」(歌詞より)事故から7年後、遺族から「ありがとう
」という手紙を受け取り「償いきれるはずもないあの人から 返事がきたのがありがた
くて・・・」と続く。少年達は神妙な表情で裁判長の言葉を聞いていた。 頓 首
2月の報告
7日 支所長会 於、大森
13日 教区住職研修会 於、セレモニーホール
18日 所長協議会役員会 於、本所
19日〜22日 定期宗議会 於、本所
21日 愛知同宗連講演会 於、中村文化小劇場
27日 詩偈講習会 於、徳源寺
3月の予定
5日 公開研修会 於、ウィルあいち
5日〜 7日 全国所長会 於、本所
7日 第2回教区報編集会 於、徳岩寺
13日 詩偈講習会 於、徳源寺
16日から 定期巡教開始
26日 尼僧堂落慶法要
27日〜29日 花園会少年少女研修会
31日 管長猊下退山式 於、本山
< お願い >
◎
教区報原稿依頼
教区報の原稿を依頼されまして未だ提出されていない方は、至急教化主事
まで送付いただきますようお願いいたします。
◎
花園会青壮年部連絡協議会の参加募集
来る4月20.21日 岐阜東教区 美濃加茂市 シティホテル美濃加茂に於て
開かれます。多数のご参加をお勧めください。
◎
公開研修会
来る5日、青年僧の会の主催により研修会が行なわれます。青年僧に限らず
多数ご参加いただきますようご案内いたします。
日 時 3月5日(火)午後3時より
会 場 ウィルあいち 1階 視聴覚ル-ム
名古屋市東区上堅杉1 TEL052-962-2511
講 師 花園大学教授(副学長)
沖本 克己(玄提)師
演 題 新宗教のねらいと与える影響
< 報 告 >
◎
住職研修会
去る13日青年僧の会・寺庭婦人の会にもご協力を頂いて初めて合同の住職
研修会が開かれた。本派副住職でもある玄侑師の「空」なる思想を拝聴、
また著書へのサイン会にも多数ご参加いただき盛況裡に圓成いたしました。
出雲殿(葬儀社)様より住職様たちの面前ではとても言えないという事で
文書にて寺院評を頂きました。これからは「多死時代」葬儀が増える時代
になっていきます。ここでほくそえんでは大間違い、あたらしい葬儀感が
芽生え、僧侶・寺院に対する鋭いまなざしを感じざるを得ません。
「感動のある葬儀」とは・・・・・工夫していかねばなりません。
好感のある御寺様
喪家の事情を理解し葬儀の仕方や御布施に関しても融通をして頂ける御寺様
打ち合わせを丁寧にして頂ける御寺様
葬儀後の諸供養の資料提供と説明を随時行なっている御寺様
お金の無い喪家の場合でも低価格の御布施でお勤めして頂ける御寺様
遅い時間でも用事が無い限り枕経に来て頂ける御寺様
態度に威厳があり、かといって偉ぶっていない御寺様
葬儀業者の立場を良く理解して頂ける御寺様
会葬者が多い時に焼香が終わるまでお経をして頂ける御寺様
宗派等に関してのしきたり等を教えて頂ける御寺様
喪家からの些細な質問等に明確に返答して頂ける御寺様
戒名について丁寧にお客様に説明して頂ける御寺様
御布施のことを喪家に対して明確に提示して頂ける御寺様
わからない事や地域性、風習等を教えて頂ける御寺様
色々無理を聞いて頂ける御寺様
法話をして頂ける御寺様
意思の疎通が図れる御寺様
お経の上手な御寺様
問題のある御寺様
式時刻寸前に来られ打ち合わせが出来ない御寺様
打ち合わせと違ったことをされる御寺様
自分の考えだけをとおし喪家等の要望を聞いて頂けない御寺様
連絡も無く式に遅刻される御寺様
葬儀をご依頼するのに電話ではなく、お寺まで伺わないと話をさせて頂け
ない御寺様
位牌の文字がわかりにくい御寺様
時間は充分あるのに焼香が終了する前に退場される御寺様
喪家の前で販売価格等を中傷される御寺様
打ち合わせ等を親身にして頂けない御寺様
◎第14回愛知同宗連講演会
去る21日愛知同宗連講演会があった。講師は、子どもの虐待防止ネット
ワ−ク・あいち事務局長で弁護士の岩城正光氏。演題は、子どもの虐待の
現状とその対応。引き続き「同宗連20年の歩み」ビデオ鑑賞。
子どもの虐待はなぜ起こるのだろうか?子どもが憎くてしょうがない親
はいないはず。
「しつけ」と称して親の言うとおりの子ども・親の思うとおりの子どもじ
ゃない者はせっかんするのである。虐待をしてしまう親は、自分自身も子
どもの頃虐待を受けていたことがあるという世代間連鎖がよく言われます
せっかん死・無理心中・ネグレスト・発作的殺人があるが、ネグレストと
は乳幼児に食事を与えない、病気なのに医者に連れて行かない、車内に長
時間放置する、赤ちゃんの産み捨てなど明確に殺人とは断定できないが死
なせたケ−スのこと。何の罪もない子供を死に追いやる者だけを罰しても
解決できない。親子両方のケアが必要とされるでしょう。
「いのち」の尊厳を!家庭の大切さを!もっと見直さねば・・・
◎
宗議会報告
19日~22日第101次定期宗議会が開催され、上程全議案を原案通り可決
して閉会した。詳細については、「正法輪」「議会報告」にてご確認ください。
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ご意見・ご批判などございましたらお聞かせください。
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