宗 務 所 便 り 2002年7月1日発信 .118 愛知西教区宗務所長 一色宏襄 九拝 謹啓上 日頃のご法愛深く感謝いたします。 ワールドカップでは、日本が決勝ト−ナメントに出る事が出来、日本中が久しぶりに 燃えました。 「日本のサッカ−が与えたもの」と言う議論の中で、 ・ 国際社会の中で行動する重要性を示唆した。外国のプロチ−ムで鍛えられた選手 ・ 他の目の前で行動することが選手を鍛えることになる。Jリ−グ結成の効用 ・ Jリ−グ結成により旧体制の打破が出来た。常に発展的改革の必要性 『 A NEW JAPAN 』 一つの新しい日本の誕生 「日本の社会は変わっているのに、日本の政治は変わっていない」という話がありました。 私たち僧侶も考えなければいけないことと思います。 頓 首
6月の報告
5月31日 第8部 常福寺先住 松本爽博師遷化 76才 3〜 4日 人権擁護推進委員合同研究会 於、本所 7日 第3部 徳岩寺先住 山田好文師遷化 89才 10日 宗議会議員立候補届出日 於、宗務所 12日 第4部 済松寺住職 神野月光師遷化 87才 12日 詩偈講習会 於、徳源寺 14日 教区寺庭婦人総会 於、妙興寺 19〜20日 教区無相教会発展拡充講習会・奉詠大会 於、江南 20日 宗議会議員選挙日 於、宗務所 20日 同宗連担当者会 於、西文化センタ− 22〜23日 第3回大衆禅堂大摂心 於、本山 24日 瑞泉寺月授戒会 於、瑞泉寺 27日 新亡供養 愛知西教区該当日 於、本山 28日 法式講習会 禅文化 於、海国寺 28〜30日 岐阜西教区地方安居会 当教区より3名参加 7月の予定 5日 全国花園会会長会議 於、本部
9日 第26期部落解放講座 於、愛知勤労会館 教区人権委員・第4部・第5部委員に参加依頼 10日 本山参拝推進委員会 於、本山 10日 詩偈講習会 於、徳源寺 16日 宗務本所を考える会「給与関係」 於、本所 23〜24日 宗務所長制度を考える会 於、本所 24日 第3部 徳岩寺先住津送 於、徳岩寺 29〜30日 本山学徒研修会 於、本山 30日 第1回教区寺院セミナ− 於、不二パ−クホテル < 報 告 > ◎ 宗議会議員選挙、選挙長総括 1.有権者総数 : 265 人 2.投票を棄権した数 : 8 人 3.直接投票の数 : 2 票、内無効投票数 0 票、 有効数 2 票 4.郵便による投票数 : 255 票 内無効投票数 7 票、 有効数 248 票 5.有効投票数 : 250 票 6.規定違反につき省除したもの 1 票 純正投票 : 249 票 上記の選挙録は、立候補者・立会人承認の「少しでも無効票をなくす為に」を採用 した結果であります。 宗制選挙規程を執行した場合、書留郵便封筒の表・裏の記載漏れが9票、投票封 筒、用紙関係の違反が5票、合計14票が無効となり、上記の無効、棄権票が16票。 合計30票が無効となります。この度の選挙を振り返り、次のことを提言いたします。 1.選挙規程(投票方法)の見直しが必要。 2.選挙運動の見直し、 金権選挙を歯止めする選挙法の改正が必要。(公職選挙法を参考に) 立候補者の公約、所信表明、活動報告を重視する体制作り。 3.選挙はない方がいいのか? わずか265票の中で争い。いろいろな繋がりの中で存在する選挙人に対する、 多くの圧力は、もう選挙はイヤだという思いにさせるのに充分であります。 選挙長も面倒な事務取扱いに、神経使うことはイヤだという思いになります。 心情的にはない方がいいのかもしれません。 選挙戦が終われば、後念を残さず、二念をつがず。サラリやサラリと水に流し、 末寺寺院・本派発展の為、協力してご尽力いただくことを期待いたします。 4.選挙に対する意識の希薄さは、宗門の衰退に通ず この度、27教区中愛知西教区のみの選挙。他教区からの批評は、決していい評価ではない。 むしろ、選挙をやることは良くないことだという意見が多いようです。 それも私の見解からすれば、誠に低次元で無責任な理由であります。 この流れを私は、大変危惧いたしています。 愛知西教区は選挙で結果が出た。どの様に予想したかは、人それぞれ違うだろうが。 これが民意です。民意は、4年に一度は問うてみる必要があるのです。 和合、話し合いと称して選挙を否定し、皆さんの推薦をいただいたなどと思い上がったり 誰も出ないから、仕方なしに出てきたと公言してはばからない人に、議員としての資格が あるのだろうか。 宗議会規程第1条の目的を認識し、第2条の地位の責任を自覚している議員が、 何人いるのか、誠に疑わしき限りであります。 ※ 無投票でも、せめて議員としての公約、活動方針を公表すべきではないでしょうか。 住職の資質の向上より公職者の資質の向上を図る研修をした方がいいように思います。 ※ せめて、密室で行われる談合という選出方法だけは、禁止できないものでしょうか。 折角教区の活性化を図ろうとしている内局の姿勢とは裏腹に、選挙もなく危機感 もなく、やる気も見えない、よって自分の意見もなく、活気もない、平均化した 人材ばかりで組織している社会に未来は期待できません。今、その時が来ている ことを強く感じ、本派寺院の未来を危惧いたします。 僧侶はもっと一般社会に目を 向けるべきはないでしょうか。 ◎人権擁護推進委員合同研究会 「本派人権擁護推進委員 教区人権擁護推進委員合同研究会」 6月3.4日の両日にわたり 本山、花園会館において行われた。 基調報告 足助重賢人権擁護推進委員長より「平成14年度妙心寺派 人権擁護推進指針」 (訂正案)の発表・説明があった。次に全国ハンセン病療養所、入所者協議会(全療協)会長 高瀬重二郎氏の「二度と繰り返してはならない隔離政策」と題して特別講演があった。 ハンセン病(ハンセン氏病、癩<らい>病)の説明と 日本のハンセン病患者の隔離政策の誤り 「らい予防法」の粉砕と人権回復、人間の尊厳等を訴えられた。 その後 本派人権擁護推進委員の療養所視察の報告があった。 分散会では 各班にて、 「平成14年度 人権擁護推進指針」について議論がされ、全体会に報告された。 本年の現地研修は 岡山県長島愛生園の予定。 ◎寺庭婦人会総会 14日一宮妙興寺に於て総会が開かれました。 全会員204名のうち52名が参加され、先亡会員供養・総会・飯台座にて斎座、老大師の 法話、博物館の自由見学を経てお開きとなった。 今後、「精進料理を学ぶ会」「陶芸体験」などを計画されているようです ◎花園流御詠歌愛知西教区 19日発展拡充講習会、20日奉詠大会が江南市民文化会館に於て清水宗源 副詠鑑をお招き して盛大裡に行われた。1日目は400名近い人が一日中実修講習会、2日目は、36支部の参 加で697名の登壇者があり熱心に奉詠をされました。 中には90歳を超える方の独唱もあったとか。5名以上集まれば支部が結成でき、ご指導も 頂けるようです。ご希望寺院があれば無相教会までお申し出で下さい。 ◎本山 新亡供養 6月27日午前10時15分より妙心寺法堂において新亡供養が行われた。 愛知西教区・東京教区合同の供養会。参加者は 540名 内訳 東京教区40名・愛知西教区 500名(洗心会409名) 因みに 洗心会は 9部10部の寺院様による結束の深い会で毎年 ご参詣されております。 究竟窟管長の導師のもと 臥雲庵東海庵老師 則竹秀南霊雲院老師 妙心僧堂老師 法務部長 花園会本部長 常任布教師 山内寺院のご出頭をいただき荘厳の内に行われた。法要後 管長 猊下より御挨拶(法話)があった。御自身が60年前に母親を無くした時のお話と童話のお話 短いお話しであったが 新亡供養に誠に的を得たお話であった。多くを語らずじーんと響く お話であった。 引き続き 常任布教師様のお話 終わって 微妙殿にて出斎。「あじろ」さんの精進料理を いただき 解散。どん曇りの すずしい新亡供養であった。 <お願い> ◎ 花園会青壮年部 代表者会開催の件 下記のとおり本山に於て、花園会青壮年部結成の有無に関わらず今後の花園会の中心とな られる代表者の方々に参集賜り、懇親を深めていただくと共に、教区・部・寺院青壮年部 結成の推進と発展についてご協議いただきたいと思います。ご参加いただける方が有れば、 是非お願いしたいのでご推薦ください。できれば50歳代ぐらいまでの方に・・・ 又、各部内に於て「花園会青壮年部結成について」ご議論いただき、ご意見・ご提案など お出しいただきますよう要望しておきます。 記 日 時 : 9月7日(土)午後5時受付。翌日午後2時迄 場 所 : 妙心寺・花園会館 対 象 : 各教区花園会青壮年部代表1名〜2名 内 容 : 会議・研修・懇親会 費 用 : 5000円(懇親会費) 申し込み〆切 : 8月末日 ◎第1回 教区寺院セミナ- 開催 7月30日(火)午後 1時 受付 1時半 「本派寺院・住職の諸問題」 講師 : 総務部長 松井宗益 師 3時 「新聞記者から見た仏教界と僧侶」朝日新聞「こころ」元編集長 菅原伸郎師 場所 : 名古屋市中区錦3 「不二パ−ク・ホテル」4F 旭の間ご案内のとおり閑栖・住職・副住職・寺庭さんなどどなたもご参加いただけます。 懇親会(5時)は希望者にて行いますので、7月19日までに参加者人数を教化主事まで お知らせ下さい。 徴収された懇親会費は、セミナ-当日ご持参下さい。 ◎ご親化授戒会のおすすめ今秋の授戒会に向けて戒徒の募集をお願いいたします。各部には以下のように戒徒をお勧め 願いたくよろしくご協力のほど、お願いいたします。尚各寺院様にはそれぞれの部内事情に より割り当てて、ご協力賜りますよう重ねてお願いいたします。 1部 290名、 2部 70名、 3部 60名、 4部 140名、 5部 110名 6部 90名、 7部 60名、 8部 100名、9部 160名、10部 280名 11部 140名、 12部 60名、 13部 70名、 14部 120名 ◎愛知西教区ホームページ 独自のドメイン名にて発信を始めましたので、一度ご覧になりご意見なり、ご発言いただ きますようご案内いたします。URL http://www.aichi-west.jp/ ◎ご意見をお聞かせ下さい。 各寺院様には忌憚のないご批判・ご意見・ご提言があれば何なりとお聞かせ下さい。 1.宗務所長の選出制度・副所長制度の導入・宗務所規定・証明、進達など所長の事務軽減策 など宗務所長に関わる権限・教化本部の機構などについて ご意見下さい。(22日まで) 2.本山参拝・花園会館について ご意見下さい。(9日まで) 3.宗議会議員選挙制度について ◎ 人権擁護推進委員会 特別講演の概要 ハンセン病は 古代オリエント時代から存在した。1873年にハンセン氏(ノルウエ−)によ って発見、伝染力は弱く 乳幼児期に接触 鼻粘膜に感染すると考えられる(明確ではない)。 潜伏期間は5〜6年 10年程の人もいる。 衛生状態 栄養状態の悪いところ、免疫の弱った 人に発症する。
細菌は 抹消神経に入り感覚障害をおこす。涼しい部分に表れる。症状としては 脱毛 顔面 神経麻痺等 眼 四諦に筋萎縮 知覚麻痺 指等の骨や関節の変形により 体重負荷が負均等 になり足底、指等に潰瘍をつくる。 神経麻痺により手遅れになり 皮膚 四諦部分の欠落が おきる。 日本では 古来うつる(伝染病)病気 血筋(遺伝性)の病気と言われた。抹消神経を侵し感 覚が無く、鼻 耳 顔面 手 足等の欠落する程になり見にくい状態になる。 乱世の12世紀 頃は 弱者、貧者であるハンセン患者は 非人とされ その中でも最も不浄視された。 仏教のハンセン病に対する解釈の間違いと 日本固有の「けがれ」観からも差別視された。 江戸時代は 特定の地域に固定化し衛生状態の悪い環境に患者が集まって生活(らい部落)し 歴代にわたって家族内感染を繰り返した為 ハンセン病は遺伝病と誤認された。明治時代には 移住の自由は認められたが、地域からの重圧により浮浪生活に移った。神社仏閣の門前町に集 まり 物乞いの生活をしていた。 やまいだれにたよると書いて 癩(らい)はここからきた名前なのか?。明治政府は、近代国家 建設の中 人目の多い所で物乞い生活をしているハンセン病患者を隔離療養するとのなのもと に 明治40年「らい予防に関する件」の法律を制定し路上生活をしていた患者を収容した。 昭和6年「癩予防法」と改正され 自宅療養している患者もすべて療養所に入所させた。 (無らい県運動)家庭内にどんな理由があろうとも 警察権力も使い強制収容され生涯隔離さ れることとなった。療養所の名の収容所。所内は 薬も満足に無く 食料も乏しかった。 そんな中で 患者に強制的に労働をさせた。重病人の看護、目、手、足の不自由な患者の介護 大工仕事 土木工事 畑仕事 洗濯 裁縫 食餌の運搬 売店 理髪 死者の火葬など労働を させて タバコを買う程度のお金しか与えなかった。 患者は 療養所の中でしか生きられなくしていた。そして 死んで行くのを待っている。 そんな国家の政策であった。1947年(昭和22年)新しい治療薬プノミンが表れ、以後DDS 1971年リファンピシンが用いられ ハンセン病は 簡単に完治する病となった。 1996年(平成8年)「らい予防法の廃止に関する法律案」が可決成立した。現在国内に国立 療養所 13ヶ所 私立の療養所 2ヶ所有り、4000名が入所している。 平均年齢 75歳。 男性が57% 女性が43% 年間 230〜250名が死亡している。 98%の患者が完全治癒している。1000名が痴呆 250名が寝たきり。 厚生労働省は2005年に は 2600名程になると予想している。 今後 患者の代表として、「ハンセン病患者の不必要な隔離政策の誤りを認めて患者の補償。 ハンセン病に対する偏見 差別をなくす。市民との交流、学校教育、地域の啓発活動を通じ て市民権の回復をしたい。」人間の尊厳、人権の回復をうったえられた。教区人権擁護推進委員 円光寺 山田英隆 報告------------------------------------------------------------------------------ご意見・ご批判などございましたらお聞かせください。
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