人権擁護推進研修会報告書

人権擁護推進委員の方々にはお忙しい中 御出席をいただきましてご苦労様でした。 素晴らしい研修をされても発表の場が無く、又そのような研修会すらもあること事態を知られな い現状を勘案しまして、この度 報告書を皆様に開示し人権啓発の一助になれば幸甚であります。

期日    2003年 7月 4日 (金)  10:00〜16:00   

場所    愛知県勤労会館 大ホール・小ホール
           (名古屋市昭和区鶴舞1-2-32)

部落解放をめざす愛知研修会

                    
第7部 新光寺 宮田 宗友

分科会(世界人権宣言55周年の意義と課題) 講師、友永健三さん

今世紀は「人権の21世紀」と言われる、その所以は以下の次第である。
20世紀は、戦争の世紀であった、第2次世界大戦の反省の中から、国連での30条からなる世界人権宣言が採択された、その意義は人類の歴史の中で初めて全ての人に人権がある事を公的に明示し、その基本精神は「差別を撤廃し人権を守る事が恒久平和を実現する事に通じる」と言う考え方である。 その後も国際的な世論を喚起する行為が進行中である。

差別を撤廃する事が人権確立の基礎であり、その視点は「差別は道徳的、科学的に合理化されない」「社会の平穏と世界の平和を脅かす」差別する人だけでなく、する人の人間性をも傷つける」 差別撤廃の基本方策は「悪質な差別を法律で禁止する」「被害者を効果的に救済する」「教育・啓発によって差別観念を撤廃する」「劣悪な実態に付いての特別な措置をとる」「分離や同化を排し、連帯を構築する」事である。

愛知県においても(人権尊重の宣言)(人権教育一啓発に関する行動計画の策定)(人権施策推進プラン)等の取り組みが行われている。 以上の様な経緯を基に、人権に関して尚一層の飛躍を期待をするのが、今世紀21世紀である。
世界人権宣言55周年を迎えるにあたって、世界人権宣言の基本精神に立ち返り「人権の21世紀」を実現するために、私達一人ひとり何ができるかを考え、できる事を実行していこう。

第27期部落解放講座  部落解放をめざす愛知研修会に参加して


第8部 常福寺 松本 寛山

基調講演抜粋  「なぜ、企業が人権啓発に取り組むのか」 講師 若林源基氏   (株)電通 人材開発 人権啓発担当部長
・仕事と職場のあらゆる所に人権がある
・ジェンダ−(性差別文化)という視点が欠かせないないセクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)
・パワーハラスメント(適正な範囲を超えて、上司が部下に嫌がらせなど)という新しい視点があら われた

・女性にとって働きやすい職場は男性にとっても働きやすい職場である。
・差別語を使わなくても、言い換えても差別表現になることがある。
・相手の立場を思いやる想像力と様々な意見の自由な交換が大切である
・日常の自分の仕事に人権という視点を入れてみる。
・「気をつける」人権から「創り出す」人権へ、相手の立場に立つのが人権である。

第1分科会抜粋  「なぜ・企業が人権啓発に取り組むのか」
講師 友永 健三 氏  (社)部落解放・人権研究所所長

・20世紀は戦争の世紀であったが、21世紀は人権の世紀である。第2次世界大戦の反省から1984 年12月10日、国連の第3回総会において世界人権宣言が採択された。人類の歴史の中で初めて 、全ての人に人権があることを公的に明らかにした。基本精神は「差別を撤廃し人権を守るこ とが恒久平和を実現することに通じる」という考え方です
・国連だけでも、現在26もの人権に関する条約が採択されている。国際的な世論を喚起するため 様々な「国際年」が設定され計画的に目的を達成するために「国連10年」が取り組まれてい る。

・差別を撤廃することの基本的な視点
差別撤廃は、人権確立の基礎である。
差別は、道徳的にも、科学的にも合理化されない。
差別は、社会の平穏と世界の平和を脅かす。
差別は、差別される人だけでなく、差別する人の人間性も傷つける。

・差別撤廃の基本方策
悪質な差別を法律で禁止する。
差別の被害者を効果的に救済する。
教育・啓発によって差別観念を撤廃する。
劣悪な実態については、特別の施策を実施することによって改善していく。
分離や連帯を排し、連帯を構築する。

「部落解放をめざす愛知研修会」〜第27期部落解放講座〜に参加して

                
愛知西教区 第9部 吸江寺 佐橋菊千代

 梅雨期の貴重な青空がのぞく7月4日、和尚の代理で「部落解放をめざす愛知研修会」 〜第27期部落解放講座〜に参加しました。部落解放とか、人権啓発とか、何だか難しそうな 日頃考えた事のないようなテーマの講演に足取り重く出かけました。
 会場の愛知県勤労会館大ホールは満席。今春卒業したばかりの新入社員のような青年、企業の 大幹部のような中年紳士、町工場の社長、長年パートで頑張っているような中年のご婦人グルー プ等々、様々な人々で ごったがえしていました。
 寺関係の催事や講演会とは全く異なった雰囲気に私は圧倒され気味でした。

午前中は、(株)電通、人材開発局の若林源基氏による「なぜ、企業が人権開発に取り組むの か」について、ビデオや多くの資料を駆使し、企業と人権の関わりについて、ジェンダーハラス メント、パワーハラスメント、差別語、何故ハラスメントが起こるのか等、身近な例を挙げての講演。
 ある企業が視覚障害者の為にとシャンプー瓶とリンス瓶を触って区別できるようにギザギザ をつけて発売したところ、視覚障害者だけでなく、健常者にもこれは便利だと好評で、爆発的に 売れた、社会の少数である視覚障害者の人々に光を当てた事が社会全体に影響を及ぼした好例で あるという話は、私にはとても印象に残りました。
 人権を尊重するって、何も大げさなことではなく、相手の立場にたって考え行動することだと いうことなのです。  午後は、2つの部会に分かれました。私は、佐藤文明氏(作家)による「戸籍と人権」に参加 しました。定員360名の小ホールは急遽多くの臨時席が用意され、身動き出来ないほどの超満員。

氏の講演の中で特に印象に残った話は:
* 普段、特に考えもせずに当たり前としている戸籍、出生届、婚姻届等を今一度、その歴史や 各項目について見ていくと、そこには日本の家制度、天皇制、日本の統治のあり方、日本人の考 え方や文化等の一端が透けて見えてくる。と同時に差別を引き起こすような項目があちこちに見 られる。
 * 戸籍のあるのは、中国、台湾、日本だけとのこと。日本の戸籍は「人と人との法律関係を 登録するもの(親子関係、養子関係等、家族主義)」であり、外国のそれは「名前や住所等の住 民登録(親や兄弟等の記載は無い。個人主義)」であること、イギリスの出生届(名前、出生日 時、場所のみ記載)は日付順にファイルされているのみ、婚姻届も同様である。つまり個別の書 類が個別にファイルされているのである。日本の出生届には、両親の職業、更には嫡出子か否か まで書かせる等、差別的な欄もあり、国際的に改善を要求されている。

* 日本はかつて韓国・朝鮮において「創氏改名」と称し、日本名を付けるように命じたことが あった。ところが彼らは夫婦別姓の文化である。「改氏」ではなく「氏」を新しく創り出さねば ならなかったのである、つまり「創氏」なのであり、彼らの概念、システムを根底から変えるこ とだったのである。
 * 昨今、世界的に、「テロを防止しよう」という大義名分の陰で多少の人権が無視される風潮 が広まってきている、又、司法統合もされつつある。9.11はそれに大きな機を与えた。グロー バリゼーションにおいて人権がとり残されようとしている。

この他にも印象に残る話は多々あったが、佐藤氏は「戸籍は人権という面からは許し難い制度 である。戸籍のない社会はあり得る。」という。 日々、寺内で安穏に暮らし、人権とか差別と か深く考えたこともなく、戸籍等は当たり前と疑問も抱かずにいた私には、講演の内容にはすぐ に理解したり賛同できかねる点もあった。が、「ちょっと立ち止まり、他の立場にたって考えて みよ、今一度我が足元を見つめてみよ」と、寺の世界から寺をも含むもっと広大な世界を目にし、 大いに啓発された一日でした。

人権擁護推進委員報告

第10部人権擁護推進委員 大善寺 丹羽寛堂

去る7月4日愛知県勤労者会館にて第27期部落解放講座が開かれ出席しましたのでご報告いたし ます。
午前10時より大ホールにて開会式に引き続き全体講習 基調講演1『なぜ企業が人権啓発に取り組むの』(株)電通人材開発局担当部長 若林源基氏の講演 「企業とは公正な競争を通じ利潤を追求すると言う経済的主体であると同時に広く社会にとって有用な存在であることが求められている。企業にとって、人権を守ることはその企業の発展の 上で必要なこと」は言うまでもない。企業が守らねばならない人権とは何か。

1、社員が能力を発揮できる職場にするための人権一男女差別の撤廃・セクハラ等 2、企業が社会と共に歩むための人権一イベントの企画・広告表現等 3、企業内啓発の手法としての人権一能力の過少評価・性の商品化等 4、仕事のパートナーとしての人権一人種差別・国籍差別等 「気をつける人権」から「創り出す人権」へ発展してこそ広く社会にとって有用な存在となりう る企業と言えると話されました。

午後1時より小ホールにて第2分科会 基調講演2『戸籍と人権』作家佐藤文明氏の講演
現行の戸籍制度は、明治4年太政官布告によって始まった。世に言う『壬申戸籍』である。それ 以前(江戸時代)は、氏名・族籍・年齢・出入増減のみを登録する人別帳・邪教の信徒でない旨を 証明する宗門改め帳の二種類であった。

壬申戸籍では、「家」制度による血縁と出身家格による近代身分制身分と氏による「戸籍緊縛」 であり、差別の表現であった。(戸主による家支配)昭和22年日本国憲法の施行により改められた 戸籍法においても、家制度と氏の固定による差別は存続されている。
殊に戸籍簿に記載されている「人の出生の秘密」は、最大級の個人情報あり、保護されねばなら ないことである。人間を出生の違いによって区分しようと言う発想は、、いろいろな差別を生み 出す。部落差別・婚外子差別・国籍による差別・養子差別・棄児差別・その他種々なる差別であ る。

国連規約人権委員会からも『婚外子に対する差別的法制度に特に憂慮している。 なかでも出生届けと戸籍にかかわる法文・慣行は、国連規約に違反している。婚外子の相続権に 対する差別等の差別的条項を削除して本規約に適合させるよう勧告する』と指摘されている。
佐藤文明氏は「戸籍は差別のデパートであり存続の正当性は、ほとんどない」と、現行戸籍法を 批判し、「廃止されねばならない」と強調された。

愛知西教区 人権擁護推進本部

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ご意見・ご批判などございましたらお聞かせください。
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